今回は、中期経営計画の上方修正を発表し、同時に1株当たりの配当金の下限を設定した、不動産会社であるレーサムについて紹介します!
概要
企業情報
証券コード:8890
銘柄名:(株)レーサム
決算:3月
業種名:不動産業
特徴:オフィスやマンションなど収益不動産を組成・販売している。香港のレイズ・カンパニーによりTOBされる。
基本情報
主市場:東証スタンダード
時価総額:967億円
主要指数採用:なし
東証33業種:不動産業
株価指標
株価(8/29現在):3325円
PER(株価収益率):8.7倍
PBR(株価純資産倍率):1.78倍
ROE(自己資本利益率):15.80%
売上高営業利益率:21.16%
配当利回り:5.26%
配当方針:従来の配当性向20%から40%を目安に変更。また、年間175円を下限に設定。
権利落ち日:3月末(一括配当)
株主優待:なし
<ポイント>
時価総額は小さめですが、PERは割安水準。ROE・売上高営業利益率も高く、高収益企業です。
従来の配当性向の目安を40%に変更したことで、配当利回りが急上昇。中期経営計画を上方修正したことで、純利益が上方修正され、従来予想から120円も増配。また、175円を下限に設定したことで来季の減配リスクもなく、実質累進配当となりました。
現時点で、来期も増益見通しのため、一株配当が196円の予想となっています。その場合、現在の株価では、配当利回りが5.89%になる予想です。
業績
通期業績では、売上高は32.5%増収、営業利益は25.3%増益、修正1株利益は42.1%増益となる予想で、過去最高を更新する見通しです。
第1四半期決算では、売上高2.3倍増、営業利益5.2倍増、修正1株利益は6.2倍増と大幅な爆益となりました。
第1四半期時点での進捗率は22.7%、一年の四分の一が終わって微妙なラインかと思われます。しかし、前期の第1四半期時点での進捗率は6.3%と低水準であり、第4四半期で大きな利益を上げています。したがって、今四半期での進捗率22.7%は過去と比較し高水準であり、このままの調子でいくと、さらなる上方修正の可能性も考えられます。
レーサムの決算資料からの引用ですが、リーマンショック・コロナショックから見事に立ち直り、中期経営計画の最終年度では史上最高益を更新する見通しです。
一つ懸念要素があるとすると、日本銀行がYCCの修正に動いたことです。8/29現在の日本10年債利回りは0.642%であり、十数年ぶりに高水準となりました。日本銀行は金融緩和を継続する見通しですが、インフレ率が3.0%を超えてきているため、金融緩和の終了が近いかもしれません。
仮に金融引き締めに動けば、日本国債の利回りは上昇し、利払いが増加することで、不動産業の利益は減少する可能性があります。
しかし、レーサムの決算資料を読むと、自己資本比率が49%と高水準でありバランスシートが強固であること。また、現状での金利支払いは5億円程度であり、来期の営業利益予想180億円から考えると、今後金利が上昇したとしても、影響は限定的であるとみられています。
まとめ
今回は、レーサムについて紹介しました。
株価指標的には割安で、配当方針を変更したことでかなりの高配当となりました。
国内のインフレにより、今後の不動産価格は上昇することが予想され、過去最高益を更新する見通しを出しています。ただし、インフレ率の上昇により日本銀行がYCC修正したことで、今後の金融緩和の終了の可能性もあります。
しかし、利払い額は小さいため、今後も利益を出し続けることができ、さらなる増配にも期待がかかります。
以上です。
ここまで見ていただいてありがとうございました!
高配当株について、配当方針や業績など一目でわかるように載せているので、ほかの銘柄についてもみていただいて、高配当株の選定に役立てていただけると幸いです。
また見に来てください!
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