2024年1月15日に発表されたサムティ(3244)の本決算について、決算内容、来期業績見通し、株価指標、株主還元、株主優待について解説していきます。
基本情報
サムティは、自社系列REITや機関投資家向けに新築や再生マンション販売を行っている会社です。ホテル開発・運営も積極的に行っています。
<売上高構成比率>不動産開発事業:57.2%、不動産ソリューション事業:22.3%、不動産賃貸事業:6.8%、ホテル賃貸・運営事業:4.9%、不動産管理事業:3.0%
不動産開発事業が主力になっています。
第4四半期決算
第4四半期では、売上高は大幅増収、利益も2桁増益となり、売上高は過去最高を更新しました。営業利益率は前年同期13.7%→11.0に悪化しました。
通期業績では、売上高は大幅増収、営業利益・経常利益は増益となり、純利益・EPSは減益となりました。売上高・営業利益・経常利益は過去最高を更新しました。
<決算説明資料のポイント>
・賃貸マンションに関しては景気動向やコロナ禍の影響を受けにくいことから、稼働率、賃料水準及び物件の販売価格のいずれも堅調に推移
・ホテル業界においては、全国旅行支援や円安の影響を受けた訪日外国人観光客の増加により、稼働率、客室単価は、おおよそコロナ禍前の水準に達しており、国内外の旅行需要は順調に回復している状況
来期業績見通し
来期(2024年11月期)の通期業績は、売上高は減収、経常利益は減益ですが、営業利益・純利益・EPSは増益。営業利益は過去最高を更新する見通しです。
<決算説明資料のポイント>
・金利変動に伴う不動産市況の先行き、建築資材の価格に関して注視する必要があるが、不動産への投資マインドは引き続き底堅く、不動産の投資市場は堅調に推移すると予想される
株価指標(1/17現在)
株価は決算発表後に下落し一単元が25万円程度になっており、PER10.2倍、PBR1.07倍と割安感があります。
ROE・営業利益率は市場平均と比較し高く、効率的に高い収益をあげていることがわかります。
増配と株価下落により配当利回りは3.89%と高くなっています。
株主還元
過去10年間の配当金の推移です。
配当金は累進配当であり、10年間で約4.75倍になっています。
還元方針は「業績を反映させるとともに、今後の事業計画、財政状態等を総合的に勘案した上で実施することを基本方針」としています。
上記方針に基づき、来期(2024年11月期)の中間配当が43円、期末配当が51円で年間94円の予想になっています。配当性向は39.8%です。
株主優待
保有株式数に応じて当社関連ホテルを無料で宿泊することができる優待券がいただけます。
ただし、優待権利は200株以上からが条件であるため注意してください。
まとめ
今期の業績は好調でしたが、来期は売上高・経常利益は減収減益の予想になっています。決算発表により株価は下落してしまいましたが、株価指標的には割安感があり、配当利回りももう少しで4%台に入るため投資妙味があると思います。
日本銀行が3月にマイナス金利を介助するかもしれないと報道されていますが、その場合はサムティのような不動産会社は業績に少なくない影響が生じると思われます。しかし、日本にもインフレの波がやってきており、インフレにより土地や建物の価格が上がるため、不動産業においては金利上昇によるデメリットよりもメリットの方が大きいと思われます。
以上です!投資の参考になればうれしいです!
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