2024年1月12に発表されたビックカメラ(3048)の第1四半期決算について、決算内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元、株主優待について解説していきます。
基本情報
ビックカメラは、家電量販店大手の会社です。ターミナル駅周辺で大型店舗を展開しています。ソフマップに加え、2012年にコジマを傘下に加えました。
家庭電化商品・情報通信機器商品が主力になっています。
第1四半期決算
第1四半期決算では、売上高は増収、利益は大幅増益となり、純利益・EPSは前年同期比2.0倍増益となりました。営業利益率は前年同期0.8%→1.2%に改善しています。
<決算説明資料のポイント>
・スマートフォンや理美容家電等が好調、デジタルカメラや調理家電等が堅調に推移し、ゲームやパソコン等が低調であったものの、総じて堅調に推移した
・新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んでいた免税売上は、足元ではコロナ前の水準まで回復
・物品販売事業は前年同期比増収増益、利益に至っては約2.0倍になっている。BSデジタル放送事業では減収減益となったが、物品販売事業の回復により全体としては増収増益
通期業績見通し
2024年8月期の通期業績は、売上高は2桁増収、利益は2桁増益であり、純利益・EPSは前年比2.6倍増益の予想。売上高は過去最高を更新する見通しです。
<決算説明資料のポイント>
・当社グループでは、株式会社TDモバイルが新たに連結子会社となること及びインバウンドマーケットの一層の回復を見込むことにより、グループ全体の売上高は前年同期比10.0%増収
・売上増による増益を見込むものの、株式会社ラネットにおける減益、株式会社TDモバイルののれんの償却及び株式会社ビックライフソリューションにおける創業赤字の拡大を予想し、グループ全体の営業利益は前年同期比 11.1%増益、経常利益は9.9%増益になる見通し
株価指標(1/17現在)
株価は一単元が15万円以下と手が出しやすい水準ですが、PERは30.5倍、PBRは1.68倍と利益からみて割高感があります。
ROE・ROA・営業利益率は市場平均と比較し低く収益性は低くなっています。
今期は増配していますが、年初から株価が上昇しているため、配当利回りは1.34%と低いです。
株主還元
過去10年間の配当金の推移です。
配当金はコロナショックの影響で業績が落ち込んだ2020年8月期に減配していますが、10年間では約1.8倍になっています。
還元方針は「業績に応じた適切な利益配当の実施を基本方針」としています。
上記方針に基づき、今期(2024年8月期)の中間配当が9円、期末配当が9円で年間18円の予想になっています。配当性向は40.8%です。
株主優待
保有株式数と継続保有期間に応じてビックカメラグループで使用できるお買い物優待券がいただけます。
100株保有でも年間3,000円、さらに1年以上継続保有では+1,000円、2年以上継続保有では+2,000円増加します。そのため、2年以上継続保有すると、2年後には年間5,000円の買い物優待券がいただけます。
現在の株価からみる優待利回りは1年未満保有で2.2%→2年以上継続保有で3.7%と1.5ポイントも利回りが上昇します。配当利回りと併せた総合利回りでは、1年未満保有でも3%を超え、2年以上保有では5%を超えることになります。
まとめ
業績は前年同期比では大幅増益となりましたが、通期業績予想からすると経常利益ベースで進捗率16.9%と不調です。売上高の約半分を占めるパソコンやゲームの売れ行きが回復しきっていないようです。
直近では訪日外国客数が増加傾向であり、ビックカメラはインバウンド消費が多くなりやすい主要駅に大型店舗を構えているため、今後の免税店売り上げが業績のカギを握りそうです。
配当金は減配実績があり、配当利回りも高くありませんが、優待利回りは1年未満保有でも2%あり、継続保有にて利回りが上昇するため、総合利回りは高くなっています。
電化製品だけでなくおもちゃやゲームなども販売しているため、使い勝手のいい株主優待でもあるので、優待目当てで投資を検討してみるのもいいかもしれません。
以上です!投資の参考になればうれしいです!
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