2023年12月1日に発表された伊藤園(2593)の中間決算について、決算内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元、株主優待について解説していきます。
基本情報
伊藤園は、茶葉製品・緑茶飲料最大手の会社です。ルートセールス方式をとっており、傘下にタリーズコーヒーがあります。
中間決算
中間決算では、売上高は増収、利益は2桁の増益となり、営業利益率は前年同期4.7%→5.8%に改善しました。
2四半期累計でも、売上高は増収、利益は2桁の増益。とりわけ営業利益は前年同期比1.5倍になりました。通期業績は上方修正されていますが、2四半期終了時点で進捗率74.7%と非常に好調です。
<決算説明資料のポイント>
・第2四半期連結累計期間では、原材料等の高騰の影響はあったものの、国内外における行動制限等の解除に伴う人流の増加やインバウンド回復等による需要の回復が当初の見込みを上回った
・製品構成の変化による収益性の改善、生産・物流等の効率化が順調に進捗したことにより、売上高・利益ともに、前回発表予想を上回る
・国内飲料市場のうち 50%以上 が無糖飲料であり、無糖飲料の構成比は伸長を続け、前年比で+3.6%成長している市場
・当社製品は価格改定による数量減により、販売数量は前年同期比2%減少
・販売数量は減少したが、価格改定・収益性の改善により増収増益となった
通期業績見通し
2024年4月期の通期業績は、売上高・利益ともに増収増益。利益は前年同期比で2桁の増益となり、過去最高を更新する見通しです。
<決算説明資料のポイント>
・第3四半期以降も引き続き原材料等の高騰の影響はあるものの、売上高、利益ともに、前回発表予想を上回ると予想
株価指標(12/1現在)
11月29日に業績の上方修正を発表し、翌日には株価が一時9%を超える下落に見舞われ、現在では1単元が45万円程度と、やや値がさ感があります。
PER・PBRは割高であり、配当利回りは1%を下回っています。
ROE・営業利益率は芳しくありません。
株主還元
過去10年間の配当金の推移です。
2015年4月期に増配して以降、8期連続で年間40円をキープしていましたが、今期は2円増配する予定になっています。
また、2023年12月4日~2024年4月15日の間で、30億円を上限に、発行済株式総数に対して4.57%の自社株買いを行うことを発表しています。
還元方針は「配当金と自社株買いを合わせた総還元性向40%以上を目標にする」としています。
今期は、年間配当金42円+30億円の自社株買いで総還元性向40%程度になる予想です。
株主優待
保有株式数に応じて、自社製品がいただけます。
2022年度は缶に入ったお茶や、パックジュースなどがいただけたみたいです。
ポイント
今期は大幅な増収増益予想ですが、価格改定による影響で販売数量が減少しているようなので、好調な業績とはいえなさそうです。
株価指標的には割高感があり、配当・株主優待を合わせた総合利回りも低めなので、投資妙味がやや低いと考えます。
以上です!投資の参考になればうれしいです!
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