2023年12月6日、東京電力ホールディングス(9501)が所有する柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)が再稼働するのではという思惑で株価が急反発し、12月11日までの4営業日で約40%上昇しました。
そんな東京電力HDの直近決算の内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元について解説していきます。
基本情報
東京電力は、電力首位の会社です。原発事故で政府の一時公的管理下におかれ、現在でも賠償・廃炉費用が続いています。
中間決算
中間決算では、売上高は2桁の減収、利益は大幅に黒字転換しました。営業利益率は10.7%と高水準です。
2四半期累計では、売上高は減収、利益は大幅に黒字転換しました。通期業績が非開示のため進捗率は不明です。
<決算説明資料のポイント>
・売上高は、PGセグメントにおいて燃料・市場価格の低下等により、需給調整に係る売上が減少したことなどにより減収
・経常損益・四半期純損益は、主に燃料費等調整制度の期ずれ影響が好転したことなどにより増益
通期業績見通し
2024年3月期の通期業績は、売上高・利益ともに非開示になっています。
<決算説明資料のポイント>
・柏崎刈羽原子力発電所の再稼働時期を見通せないことから現時点で未定
※原発再稼働の思惑が出たことで、今後通期業績の見通しについて何かしらの開示があるかもしれません
株価指標(12/12現在)
株価は1単元が10万円以下と手が出しやすい水準ですが、東日本大震災が発生した日の終値(2,121円)からは60%以上下落しています。
PERは赤字のため算出できず、自己資本比率は0.37%と非常に割安です。
今期は黒字に浮上していますが配当金は無配継続となっています。
株主還元
過去10年間の配当金の推移です。
2010年までは配当金が出ておりましたが、東日本大震災の影響から直近10年間は無配となっています。
還元方針は「東北地方太平洋沖地震以降の厳しい経営環境等に鑑み、配当の基本方針を取り下げた。2024年3月期の配当についても、引き続き厳しい経営環境等が見込まれることから、中間については無配とし、期末についても見送る予定」としています。
配当金は無配を継続していますが、自社株買いは昨年まで毎年続けて行っていました。
ポイント
今年は電気料金の値上げにより業績は黒字転換し好調を維持しています。この状態から原発再稼働が可能となれば、より収益性の向上が見込まで利益の向上に寄与するものと思われます。
その場合、東日本大震災の後から取りやめていた配当金の復配があるかもしれません。
今後の状況をチェックしていきましょう。
以上です!投資の参考になればうれしいです!
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