2023年12月6日、日清食品ホールディングス(2897)が株式分割を発表しました。直近決算の内容や通期業績見通し、株価指標、株主還元、株主優待について解説していきます。
基本情報
日清食品は、即席ラーメンの先駆者的な会社です。カップ麺は2006年、明星食品を子会社化して国内シェアが5割を超えました。袋麺も首位級です。
セグメント別利益:海外事業(約45%)、国内即席めん事業(約43%)、国内非即席めん事業(約10%)
中間決算
中間決算では、売上高・利益ともに増収増益です。利益は前年同期比で7-8割増益となっており、四半期として過去最高を更新しました。営業利益率も前年同期8.2→13.1%と大幅に改善しました。
2四半期累計でも、売上高・利益ともに2桁の増収増益となり、進捗率は純利益ベースで58.7%と非常に好調です。
<決算説明資料のポイント>
・価格改定後も底堅い需要を取り込み、国内即席めん事業において数量は微減したが増益に転換、3事業(国内即席めん・国内非即席めん・海外事業)すべて増収増益
・海外事業が全体の増益を牽引(前年同期比2.4倍)、飲料・菓子が好調な国内非即席めん事業も大幅増益(前年同期比2.7倍)
通期業績見通し
2024年3月期の通期業績は、売上高は増収、経常利益は非開示ですが、その他の利益では2桁の増益となり、売上高・利益ともに過去最高を更新する見通しです。配当金も前年140円→200円に60円も増配されました。
<決算説明資料のポイント>
・3事業ともに好調を維持、売上収益・利益とも上方修正。過去最高を更新見通し
・既存事業コア営業利益: 期初予想640億円 → 800億円(+160億円、+25%)
株価指標(12/8現在)
株価は1単元投資をするのに約150万円必要でしたが、2023年12月31日を基準日に1株→3株に株式分割されます。それに伴い、2024年1月1日からは、1単元を約50万円で投資ができるようになりました。(それでも高いですね)
ROE・営業利益率は市場平均を超えており、効率的に高い収益をあげています。
中間決算時に大幅増配を発表し株価が上昇したことで、増配後も配当利回りは1.33%と低めです。
株主還元
過去10年間の配当金の推移です。
直近10年間は累進配当であり、2015年3月期からは9期連続増配となっています。
還元方針は「連結業績や今後の資金需要を勘案しながら、継続的かつ安定的な利益還元を行っていく。今後の株主配当については、連結配当性向約40%を目安とする」としています。
今期は中間決算に伴い配当予想の修正も行われました。期初では中間配当が80円、期末配当が80円の予想でしたが、修正後は中間配当は変わらず80円、期末配当が40円増額され120円になるようです。
株主優待
今回、株式分割に合わせて、株主優待制度も一部変更されました。
今後は、株式分割後に1単元(100株)保有の株主にも年1回 1,000円相当のグループ製品詰め合わせがいただけるようですので、実質的に株主優待の拡充がなされました。
現300株以上(株式分割後900株以上)保有の株主には、年2回(3月末日および9月末日)に、それぞれ6,000円相当のグループ製品を、オンラインストアにて自由に選択できるように拡充されています。また、同株主には長期優遇制度も設けられており、3年以上継続保有していると6,000円相当→7,500円相当にアップするようです。
ポイント
業績は好調であり、資材価格高騰も値上げにより像羽州増益を達成。
この度、上場来初の株式分割で株価が高すぎて手が出せなかった個人投資家も、投資ができる機会を得ることができました。
株主還元も実質的に拡充され、株式分割後100株以上で優待がいただけるんはうれしいですね。
以上です!投資の参考になればうれしいです!
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