日本取引所グループ(8697) 中間決算解説 株主優待廃止

2023年10月26日、日本取引所グループ(8697)が中間決算を発表しました。合わせて人気のあった株主優待制度を廃止し、今後は配当に集約していく。

中間決算の内容、通期業績見通し、株価指標、配当金の推移、株主優待について解説していきます。

基本情報

日本取引所グループは、国内唯一の総合取引所グループです。傘下に東証、大阪取引所、東京商品取引所があります。

主市場:東証プライム

主要指数採用:JPX日経400、日経225、日経300、TOPIX、TOPIX100

中間決算

中間決算では、売上高・利益ともに2桁の増収増益、累計でも同様で、利益は前年同期比で3割以上増益となっています。進捗率は57.8%と昨年より好調に推移しています。

決算説明資料では、システム維持・運営費等の営業費用が増加したものの、株券等の売買増加等を背景とした営業収益の増加がそれを上回り、当期利益は前年同期比で35.5%増加したとのことでした。

通期業績見通し

2024年3月期の通期業績は、売上高・利益ともに増収増益、すべて過去最高を更新する見通しです。

9月25日には通期業績予想の上方修正が発表されたため、中間決算では通期業績の見通しは据え置きとなりました。

上方修正の理由は、通期の1日の売買代金・取引高について、最近の市況動向を踏また結果であるとのことでした。特に、株券等の売買代金による収益が大きく伸びる予想のようです。

株価指標(10/26現在)

PER・PBR的には割高感があります。

ROE・営業利益率は高水準であり、効率的に収益を上げ、かつ、利益率も高い企業です。

配当利回りは2.17%とまずまずな水準。

株主優待ではQUOカードがいただけていましたが、2025年3月をもって廃止となりました。

配当金

過去10年間の配当金の推移です。

配当性向60%を目安にしており、業績に応じて配当金も増減しています。

2024年3月期は年間63円を予定しており、昨年と同額になっています。しかし、昨年度は期末配当の内訳が、普通配当27円に記念配当10円が加わっていたため、実質的に増配となっています。

株主優待

1単元以上保有でQUOカードがいただけます。

また、継続保有年数に応じて、いただけるQUOカードの金額が上がっていくため、長期保有により利回りが上昇していきます。

しかし、中間決算発表と同時に、株主優待制度の廃止についてのお知らせも公表しました。

内容は、2025年3月をもって株主優待制度を廃止することを決定。理由は、株主の平等性確保の観点から、公平な利益還元の在り方について慎重に検討した結果だとしており、今後は、配当等による利益還元に集約することにしたとのことでした。

ポイント

株価指標的には割高感がありますが、国内唯一の取引所であり、業績好調で通期では過去最高を更新する見通し。

今年10月からは大手のネット証券会社が国内株式の取引手数料無料化にし、来年1月からは新NISAが開始となり、今後も株券等の取引が活発に行われていくことが予想されるため、業績は堅調に推移する可能性が高いと考えます。

株主優待制度は2025年までは続くため、それまでは配当金・株主優待を受け取りつつ、それ以降は業績の成長に応じて配当金を受け取り続けるといった方法で、長期的に保有してみてもいいのではないかと思います。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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