2023年10月27日より、楽天証券で投資信託の保有残高に応じてポイントがたまる「投信残高ポイントプログラム」が開始となったので解説していきます。
概要
対象の投資信託を保有しているだけで、残高に応じて楽天ポイントが進呈されます。
対象となる口座は特定口座、一般口座、一般NISA口座、つみたてNISA口座などであり、2024年1月から開始となる新NISA口座も対象となります。
対象ファンド
➀楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
②楽天・S&P500インデックス・ファンド
どちらも2023年10月27日に設定されたファンド(投資信託)です。
➀は全世界株式、②は米国優良企業で構成されるS&P500に投資ができるファンドになります。
同じ指数に連動するものとしては以下のものがあります。
➀:三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)、SBI証券のSBI・V・全世界株式
②:三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI証券のSBI・V・S&P500
各社名前は違いますが、同じ商品です。
ポイント還元の内容
還元率
➀楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド:年率0.0175%
②楽天・S&P500インデックス・ファンド:年率0.0341%
ポイント進呈時期
毎月の月間平均保有金額に対して翌々月末にポイントを進呈
計算方法
「(月間平均保有金額×ポイント還元率)÷365日×月間日数」(小数点以下切り捨て)の各ファンド合計
例)楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドを30日間保有したの場合
月間平均保有金額100万円×ポイント還元率0.0175%=175円
175円÷365日=0.48円
0.48円×30日=14ポイント
楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドに100万円投資し、30日間保有した場合は、1月で約14ポイントいただけます。
100万円を1年間持ち続けると、約168ポイントいただけることになります。
1年間で100万円ずつ投資していくことを想定し、最大で18年間で非課税枠を使い切ると、毎年付与されるポイントが増えていき、18年間の合計で約28,700ポイントが付与されます。
また、18年で終わるわけではなく、その後も保有し続けるとポイントが付与されるため、その後は毎年約3,000ポイントが付与され続けることになります。
SBI証券との比較
SBI証券も投資信託の保有残高に応じたポイント付与プログラムを導入しており、ポイント付与率は変わりますが対象ファンドは多めに設定されています。
投資信託は、保有しているだけで信託報酬と呼ばれる手数料がかかります。そのため、信託報酬が高いファンドを選ぶとそれだけで損してしまうため、ポイント還元率だけに注目して手数料が高いファンドを選ばないように注意しましょう。
全世界株式に連動するファンドでは、信託報酬(手数料)は低く、ポイント還元率とともに各社違いはありません。
S&P500に連動するファンドでは、信託報酬(手数料)は楽天・S&P500は最低水準であり、ポイント還元率も一番高くなっています。
そのため、投信残高ポイントプログラムだけを考えると、全世界株式に投資を考えている方は、楽天証券・SBI証券のどちらを選んでも違いはありません。しかし、S&P500に投資を考えている方は、楽天証券の方が信託報酬(手数料)・ポイント還元率のどちらも優れているため、楽天証券で投資するメリットは大きいと思われます。
まとめ
全世界株式に投資する場合は、楽天証券・SBI証券のどちらで投資をしても大きな違いはなく、S&P500に投資する場合は楽天証券の方がメリットが大きいです。
ただし、新NISAでは、投資信託をクレジットカードで購入することができます。(クレカ積立)
楽天証券では楽天カード、SBI証券では三井住友カードでクレカ積立を行うと、それぞれポイント還元が変わってきます。投信残高プログラムだけでなく、クレカ積立の還元率も考慮して、証券会社や購入するファンドを考える必要があります。
クレカ積立については、革命!ネット証券大手の2社が国内株式の取引手数料0円サービスを開始!で解説しているため、ぜひ読んでみてください。
また、信託報酬(手数料)については、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズが業界最低水準となっており、今後も信託報酬を引き下げる可能性が高いと思われます。
eMAXIS Slimシリーズの投資信託、ETFについては
・【eMAXIS Slim 全米株式】が低コストで運用開始!
で解説しているので、参考にしてみてください。
さらに、楽天証券はポイント還元を改悪したり、改善したりを繰り返しているため、楽天証券に限らずですが、今回のプログラムが今後もずっと続くわけではないかもしれません。
しっかり調べて、自分に合った証券会社や投資信託を購入していきましょう。
以上です!投資の参考になればうれしいです!
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