古野電気(6814)3Q決算解説 通期業績上方修正

決算解説

2024年1月15日に発表された古野電気(6814)の中間決算について、決算内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元について解説していきます。

基本情報

古野電気は、魚群探知機、電子海図など船舶用電子機器の世界最大手の会社です。無線技術を核に、GPSや医療機器事業を強化しています。

<セグメント別売上高比率>舶用事業:83.3%、産業用事業:12.3%、無線LAN・ハンディターミナル事業:4.3%

舶用事業が主力になっています。

第3四半期決算

第3四半期決算では、売上高は大幅増収、営業利益・経常利益は前年同期比5倍増益、純利益・EPSは黒字転換となり、売上高・純利益・EPSは過去最高を更新しました。

3四半期累計では、売上高は大幅増収、利益は前年同期比で3~4倍増益となり、進捗率は通期業績予想を超過しました。

<決算説明資料のポイント>

・高水準な受注残の解消と納期の正常化に向けた増産の継続により、舶用事業の全地域向けで販売が拡大

工場の生産効率の改善、価格マネジメントの進展等により売上総利益は増加

・舶用事業では、商船向けを中心に、全地域において売上高が増加。産業用事業では、防衛装備品事業の販売が増加

・舶用事業の売上増加により増益。収益性改善の取り組みにより部材価格高騰の影響を相殺

通期業績見通し

2024年2月期の通期業績は、売上高は2桁の増収、営業利益は3.9倍増益、経常利益は2.7倍増益、純利益・EPSは3.7倍増益。売上高・経常利益・純利益は過去最高を更新する見通しです。

<決算説明資料のポイント>

・旺盛な需要環境のなか、部材調達環境の良化による順調な生産状況により、販売が好調に推移。利益については、収益改善の取り組み効果や、為替レートが米ドル、ユーロともに想定よりも円安水準で推移していること等により利益を上方修正

・売上高は修正なし。営業利益は50億円→60億円(+20.0%)、経常利益は60億円→70億円(+16.7%)、純利益は45億円→50億円(+11.1%)、EPSは142.45→158.35円にそれぞれ上方修正

株価指標(1/16現在)

株価は通期業績の上方修正に伴い13.97%も暴騰し一単元が20万円を超えてきました。それでもPERは13.6倍、PBRは1.12倍とやや割安感があります。

ROE・ROA・営業利益率は市場平均と比較し低く収益性は低めです。

株価上昇に伴い配当利回りは2.09%と低くなりました。

株主還元

過去10年間の配当金の推移です。

配当金は10年間で約5.6倍になっています。

還元方針は「継続的かつ安定的な配当を念頭に置きながら、財務状態、利益水準および配当性向などを総合的に勘案して決定することを基本方針。2024年を初年度とする中期経営計画では、連結配当性向30%以上」としています。

上記方針に基づき、今期(2024年2月期)の中間配当が20円、期末配当が25円で年間45円の予想になっています。配当性向は28.4%です。

まとめ

中間決算でも通期業績は上方修正されていましたが、舶用事業の売上は日本・米国・欧州・アジアのすべての地域で増収となり、通期業績予想を超過したため第3四半期決算でも上方修正されました。

株主還元については、配当が基本であり配当性向は30%程度ですが、業績連動型であり減配実績があるため、来期以降の業績動向に注意が必要です。

しかし、第3四半期時点で通期業績を超過しているため、このまま好調に推移すると本決算ではさらなる上方修正と配当金の増額修正があるかもしれません。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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