伊藤忠商事(8001)中間決算解説 上方修正で株主還元追加

決算解説

2023年11月6日に発表された伊藤忠商事(8001)について、中間決算解説、通期業績見通し、株価指標、株主還元について解説していきます。

基本情報

伊藤忠商事は、総合商社大手で、非財閥系の会社です。繊維や食料品など肘原ビジネスに強みがあり、傘下にはファミリーマートなどの有力企業があります。

中間決算

中間決算では、売上高は減収、利益は2桁の減益になり、営業利益率は前年同期5.7%→5.4%に悪化しましたが高水準を維持しています。

2四半期累計でも、売上高は減収、利益は2桁の減益になっていますが、進捗率は52.0%と好調です。

<決算説明資料のポイント>

・エネルギー・化学品は、エネルギートレーディング取引、エネルギー関連事業及び化学品関連取引での市況価格下落の影響により減収減益

・金属は、石炭価格及び鉄鉱石価格の下落により減収減益

・食料は、食品流通関連事業での人流回復及び販売価格上昇による取引拡大に加え、食糧関連取引での取扱数量増加等により増収増益

・ファミリーマートでの商品力・販促強化による客数及び客単価の伸長に伴う日商増加等により増収増益

通期業績見通し

2024年3月期の通期業績は、売上高・営業利益・経常利益は非開示ですが、最終利益は微減益、修正一株利益は増益の見通しであり、配当金は年間140円→160円に増配予定となっています。

また、中間決算の発表に伴い、最終利益は期初予想7,800億円→8,000億円に上方修正されました。

<決算説明資料のポイント>

・1-2Qの堅調な実績を踏まえ通期業績を上方修正

株価指標(12/6現在)

株価は直近で大きく上昇し、1単元が50万円を超え値がさ感が出てきました。

しかし、PERは10倍台と割安です。

配当利回りは株価が上昇したことにより2.72%まで低下してきますが、年々増配を続けているため中長期で利回りが上昇していく銘柄です。

株主還元

過去10年間の配当金の推移です。

過去10年間は累進配当でしたが、2015年3月期からは9期連続増配になっています。

還元方針は「配当金は、累進配当(連続増配)と配当性向30%以上を目標。自己株式取得は、市場環境・キャッシュアロケーションの状況を踏まえ、機動的・継続的に実施し、総還元性向33%以上を目指し、期中上方修正時には、総還元性向40%を目途とした追加還元を実施する」としています。

上記方針に伴い、配当金は中間配当80円、期末配当80円の年間160円で期初予想から変更なし。ただし、今期は中間決算時に上方修正があったことから、追加還元として、750億円を上限に、発行済株式総数に対して1.2%の自己株式取得を行うことを発表しました。年初から9月までに250億円の自社株買いを行っていたことから、この追加還元で年間1,000億円の自社株買いとなりました。

ポイント

業績は昨年大増益であった反動で減益になっていますが好調を維持しており、株主への追加還元により株価は上昇しましたが、PER的にはまだ割安感があります。

配当金は累進配当を導入しており、自己株式取得は8期連続で行っているため、非常に株主還元に積極的な優良企業です。

株価は高値圏にあるため、積極的に押し目を狙っていきたいですね。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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