三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)中間決算解説

決算解説

2023年11月14日、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が中間決算を発表しました。

決算内容、通期業績見通し、株価指標、配当金の推移について解説していきます。

基本情報

三菱UFJフィナンシャル・グループは、国内最大手の民間金融グループ。銀行、信託、証券、カード、リース等の事業を行っている会社です。米州、アジアでの展開を進めています。

中間決算

中間決算では、売上高は30%を超える増収となり過去最高を更新。経常利益は68%増、純利益は昨年同期比で3倍増益となりました。

2四半期累計では、売上高は30%を超える増収、経常利益は2倍増益、純利益は4倍増益となっており、進捗率は71%と非常に好調です。

<決算説明資料のポイント>

・米国Morgan Stanleyの持分法適用決算期の変更や円安の影響等もあり、MUFG発足以来の最高益

※Morgan Stanleyの決算期を1月~12月→4月~3月に変更。それに伴い、23年度決算では15ヵ月間(+3ヵ月分)の損益を取込予定となっています。

・期初より預金残高・貸出金が増加

・国内法人貸出利ざやは、中小企業ではばらつきがありますが、大企業では昨年同期0.53%→0.6%に増加しており収益性が改善

・海外貸出利ざやでは、昨年同期1.00%→1.33%に大幅に増加している。

・与信関係費用は、昨年同期比で1/3以下に減少しており、期初計画の約6割の水準となっています。

通期業績見通し

2024年3月期の通期業績は、売上高・営業利益・経常利益は非開示です。最終利益・修正1株利益は2桁の増益であり、ともに過去最高を更新する見通しです。

<決算説明資料のポイント>

・期初発表通り、純利益は1兆3,000億円を目指す

株価指標(11/15現在)

PER、PBRは割安であり、1単元が10万円台と手が出しやすい水準です。

自己資本比率は銀行業らしく低め。

配当利回りは3.26%であり高配当ですが、年初から株価は56%も値上がりしているため配当利回りも下がってきています。

配当金の推移

過去10年間の配当金の推移です。

還元方針は、「資本の健全性や成長のための投資との最適バランスを検討した上で、 配当を基本として株主還元の充実に努める方針」としており、「配当金の安定的・持続的な増加を基本方針とし、2023年度までに配当性向40%への累進的な引き上げをめざす」とのことです。

配当金は方針通りに累進配当となっており、2006年から減配がなく、18期連続増配予定となっています。

また、自社株買いも積極的に行っており、今期は4,000億円を上限に、発行済み株式数の3.31%の自社株式を取得すると発表しました。

配当金と自社株買いにより総還元性向は68%程度となり、株主還元に積極的な銘柄といえます。

ポイント

株価は年初来から大きく上昇していますが、株価指標的にはまだ割安感があり、配当金の増配や大規模な自社株買い等、株主還元に積極的であるため、非常に優良な銘柄であると思います。

今回は上方修正はありませんでしたが、中間決算時点で進捗率が71%と非常に好調に推移しているため、第3四半期決算時点の進捗次第では上方修正の可能性があると思います。

増配・自社株買いを積極的に行っても、総還元性向は70%未満であるため、PBR1倍解消に向けて、今後も株主還元を強化してくることも予想されます。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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