三菱商事(8058)中間決算解説 上方修正に増配 株式分割も

2023年11月2日、五大商社の一角である三菱商事(8058)が中間決算を発表しました。それに加えて通期業績の上方修正、配当金の増配、12月末を基準に1株→3株に株式分割を実施すると公表しました。

決算内容、通期業績見通し、株価指標、配当金の推移、株式分割について解説していきます。

基本情報

三菱商事は、総合商社大手で三菱グループの中核を担う会社です。原料炭等の資源を筆頭に、機械、食品、化学品等の事業基盤が厚くなっています。

主要指数採用:JPX日経400、日経225、日経300、TOPIX、TOPIX100

中間決算

中間決算では、売上高・利益ともに2桁の減収減益。2四半期累計でも2桁の減収減益となりました。

<決算説明資料のポイント>

・上期利益として前年同期に次ぐ過去2位となる4,661億円

・前年度高騰していた資源価格の鎮静化キャピタルゲインの反動などにより減益

・天然ガス、食品、電力等の事業で前年より増益

通期業績見通し

2024年3月期の通期業績は、売上高は非開示ですが、過去最高であった前年から最終利益・修正1株利益は2桁減益の見通しです。

<決算説明資料のポイント>

・経常利益9,200億円から9,500億円へと上方修正

円安による利益貢献を通期で500億円程度を見込む

LNG(液化天然ガス)の利益増三菱自動車における持ち分利益の増加などが寄与する。

・ドル円は1ドル=140円を前提とするため、通期利益見通しが「上に振れることもある」

株価指標(11/2現在)

PERからみると割安。PBRは1倍を上回ってきましたが、まだ割高とはいえない水準です。

ROEは通期で11.2%となる見通しであり、今期は減益ながら効率的に収益をあげていることがわかります。

配当利回りは3%を超えていますが、辛うじて高配当といえる水準です。しかし、累進配当を掲げており、ここ数年は連続増配を行っていることから、現時点では配当利回りが低くても、長期で持ち続けることでより高い利回りになる銘柄です。

配当金

過去10年間の配当金の推移です。

2016年に減配はしていますが、その後は累進配当を掲げ増配を続けています。

今期の期初は年間200円の予想でしたが、業績上方修正に伴い年間210円に増配しています。

株式分割

株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的に、12月31日を基準日として、1対3の株式分割を実施。

今回の増配も、株式分割に伴い、業績の上方修正や持続的利益の成長・成長期待、利益の底堅さ、市場からの期待等を総合的に勘案して決定されたとのことでした。

ポイント

前年は資源価格の高騰で利益が伸びていき、今期は2桁減益となりましたが上方修正。

来年から始まる新NISAも考慮しているのか、株式分割を行い、それに伴って増配を行うなど、株主還元意識の高い企業です。

昨今は非資源分野も成長してきているため、今後も継続的に利益を上げていってくれることが期待されます。

累進配当で、減益しても増配を行っているため、長期で持ち続けることで高い利回りを享受できる銘柄だと思います。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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