三井不動産(8801)中間決算解説 業績上方修正に増配も

決算解説

2023年11月8日に発表された三井不動産(8801)の中間決算について、決算内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元について解説していきます。

基本情報

三井不動産は、三菱地所と並ぶ総合不動産会社です。ビル賃貸を主力としており、マンション分譲や非保有不動産事業を拡大しています。

<売上高構成比率>賃貸:33.2%、分譲:28.2%、マネジメント:19.7%、その他:18.9%

賃貸分譲事業が主力になっています。

中間決算

中間決算では、売上高は2桁の増収、営業利益・経常利益は前年同期比1.7~1.8倍増益になりました。営業利益率は前年同期11.3%→16.4%と大幅に改善しました。

2四半期累計では、売上高・利益ともに2桁の増収増益となり、進捗率は60.6になりました。

<決算説明資料のポイント>

・賃貸事業では、主に海外オフィス(50ハドソン・ヤード)の収益・利益の拡大国内商業施設の売上伸⾧等により増益

・分譲事業では、国内住宅分譲の「パークコート神宮北参道ザタワー」の引き渡しの進捗等により増益

・マネジメント事業では、リパーク(貸し駐車場)の収益・利益の伸⾧により増益

・施設営業事業では、ホテル・リゾートの収益・利益の大幅な改善、東京ドームの稼働日数・来場者数の増加等により増益

通期業績見通し

2024年3月期の通期業績は、売上高は増収、経常利益は減益ですが、それ以外の利益は増益。売上高・営業利益・最終利益・修正一株利益は過去最高を更新する見通しです。

<決算説明資料のポイント>

施設営業の好調な営業状況、純金利負担の改善を踏まえ、営業利益・経常利益・最終利益を上方修正

株価指標(1/5現在)

株価は一単元が35万円程度と値がさ感はないけれど高めであり、PER・PBRは割安でも割高でもない水準です。

ROE・ROAは市場平均と比較し低いですが、営業利益率は13.46%と非常に高収益であることがわかります。

配当利回りは1.97%と高配当ではありません。

株主還元

過去10年間の配当金の推移です。

直近10年間では累進配当になっており、10年前から配当金が約3.1倍に増えています。

還元方針は「利益還元については、安定的な配当の実施とともに、資本効率の向上を目的として、機動的な自己株式の取得を行う。総還元性向については、親会社株主に帰属する当期純利益の45%程度を目途とする」としています。

上記方針に基づき、今期(2024年3月期)の中間配当が35円、期末配当が35円で年間70円の予想になっています。配当性向は30.4%です。

自社株買いも2018年3月期から毎年行っており、前期は300億円を上限に、発行済み株式総数の2.12%の自社株式取得を行いました。さらに、5月には1.12%の自社株式を消却しています。

まとめ

直近業績は非常に好調であり、通期業績も上方修正されています。今後もインフレに伴い地価や住宅価格が上昇する可能性があり、不動産業は利益が伸びていく可能性が高いです。日銀の政策金利修正はリスクですが、すぐに金利の引き上げが起こる可能性は低いと考えられるので、業績への影響は軽微になると予想します。

三井不動産は株主還元意識が非常に高く、株価指標的には割高ではないため、押し目がきたら狙ってみたい銘柄です。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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