ライオン(4912)3Q決算解説 減益で翌日株価11%急落

2023年11月7日、ライオン(4912)が第3四半期決算を発表しました。

決算内容、通期業績見通し、株価指標、配当金、株主優待について解説していきます。

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基本情報

ライオンは、家庭用品大手で歯磨き等オーラルケアで国内首位。ハンドソープの「キレイキレイ」や薬品「バファリン」などを販売している会社です。

第3四半期決算

第3四半期決算では、売上高は増収ですが、利益は2割減益となりました。3四半期累計でも、利益が4割の減益となっています。

<決算説明資料のポイント>

・一般用消費財は、大型新製品を投入したファブリックケア、インバウンド需要が旺盛な薬品が増収

・ビューティケア(ハンドソープ、ボディソープ等)、リビングケア(台所用洗剤、住居用洗剤)が大きく減益

・海外は、東南・南アジアではタイ、北東アジアでは中国が大幅に伸長。中国は前年同期比33.6%増益

・海外売上高は、前年同期比13.9%増加(為替影響を除くと7.4%増加)、セグメント利益は、前年同期比77.9%増加

・競争費用の増加や本社移転に伴う費用の発生等により減益

通期業績見通し

2023年12月期の通期業績は、売上高は増収ですが、利益は2桁減益の見通しです。

また、第3四半期時点での営業利益の進捗率は50%であるため、残り3ヵ月で50%を稼ぐのは至難の業といえます。

<決算説明資料のポイント>

当初想定から変更なし

・原材料価格は、昨年の高い水準からはピークアウト、今後も昨年よりは低い水準で推移すると想定

本社移転費用大型新製品投入による競争費用の増加等により上期では減益となるが、売上増による粗利増や、原材料価格の影響がプラスに転じることにより通期では増益となる計画

株価指標(11/8現在)

株価は1,000円台と手が出しやすい水準ですが、PERは20倍を超えており割高といえます。

ROEは市場平均より低く、今期は稼ぐ力が低くなっているようです。

株価下落により配当利回りは2%台にのせてきました。今期は減益ながらも、8期連続で増配が続く見通しであるため、持ち続けることで利回りはさらに上昇していく銘柄です。

配当金

過去10年間の配当金の推移です。

配当方針は、継続的かつ安定的な利益還元を行う(目安として連結配当性向30%)としています。

今期は前年比1円増配となり、配当性向は42.3%となる見込みです。

米中貿易摩擦やコロナショックなど、日経平均株価が暴落する場面がありましたが、ライオンは過去10年以上非減配であり、明言はしていませんが実質累進配当となっています。

株主優待

1単元(100株)以上保有で、12月に日用品セットがいただけます。すべて合わせると約3,000円相当の優待品です。毎日使うものもあるため使い勝手がいいですね。

ポイント

第3四半期決算でも減益が目立ち、3四半期累計でも進捗率は50%と業績はかなり不調です。

しかし、通期業績見通しに変更はなく、下期は増益に転じ、通期での減益幅を縮小する見通しです。

減益要因は本社の移転に伴う費用増や、大型新製品投入による競争費用の増加などによるとされているため、今期は減益でも来期以降は開腹していく可能性があります。

配当金は連続増配を続けており、期末には家計の助けとなる日用品が株主優待でいただけるため、中長期では優良な銘柄であると思います。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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