10月4日、マネックスグループ(8698)、株式会社NTTドコモとの資本業務提携契約の締結、単独株式移転による中間持株会社の設立及び子会社の異動(子会社株式の一部譲渡等)並びに利益の計上見込みに関するお知らせを発表しました。
解説していきます。
概要
個人の生活における資産形成サービスを当たり前のものにするような金融サービスを提供することで社会的インパクト生み出し、個人のより豊かな人生に貢献することを目指し、本資本業務提携を行いました。
これにより、NTTドコモとの連携を通じてマネックス証券のビジネスを大きく成長させることを可能にし、本株式譲渡によりアセットマネジメントビジネスのさらなる強化を中心に行い、当社グループ全体の事業ポートフォリオの増強を図っていくとしています。
マネックス証券は往年の理念・ブランドはそのままに、NTTドコモの連結子会社となり、今後も中長期的な成長に向けて当社・NTTドコモが協働で支援していく体制になるとのことです。
ポイント
NTTドコモは、日本において移動系通信の契約者数における事業者別シェアの36.1%を占め、ドコモショップという約2,160店舗の顧客接点チャネルを持ち、かつ「dポイントクラブ」というマーケティングプラットフォームを通じて約9,600万人の会員基盤を有します。
今回の資本業務提携により、NTTドコモの強みである通信契約者やdポイント会員などを取り込むことで、口座数・預かり資産残高の2026年度目標を当初から約1.5倍に上方修正しました。
先日、ネット証券大手のSBI証券と楽天証券が、国内株式売買手数料無料化を発表しました。マネックス証券はこれに追随することはしませんでしたが、それだと多くの人がSBI証券や楽天証券に流れてしまいます。
マネックス証券は、委託手数料が主な収益源であり、収益は短期的かつ不安定でした。そこで、今回の資本業務提携によりビジネスモデルが変化し、投資信託や信用取引などが活発化され、これらによる信託報酬や金融収益をあげることで、不安定だった収益源を長期的かつ安定化させることができるようになりました。
NTTドコモからすると、ライバルであるKDDIやソフトバンクが、それぞれauカブコム証券やPayPay証券などを持っているのに対し遅れていました。今回、マネックス証券を取り込むことで、今後dポイント経済圏を構築し、顧客の囲い込みを図っていくことができます。
そのため、今回のマネックスグループとNTTドコモの本資本業務提携の締結は、どちらの企業にもwin-winなものとなったと思われます。
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