マツキヨココカラ(3088)中間決算解説 好業績かつ高進捗

株主優待

2023年11月14日に発表されたマツキヨココカラ&カンパニー(3088)の中間決算について、決算内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元、株主優待について解説していきます。

基本情報

マツキヨココカラ&カンパニーは、都市型ドラッグストア大手の会社です。プライベート商品や化粧品、医薬品に強みがあります。2021年10月にココカラファインと経営統合しています。

中間決算

中間決算では、売上高・利益ともに大幅な増収増益となり、売上高・営業利益・経常利益は四半期として過去最高を更新しました。営業利益率は前年同期6.7%→7.7%に改善しています。

2四半期累計では、売上高・利益ともに大幅な増収増益となりました。進捗率は49.7%です。

<決算説明資料のポイント>

・新型コロナ5類移行に伴い、都市部人流やインバウンド需要が徐々に回復。加えて、全体を通して天候に恵まれたことでシーズン品が好調に推移

・継続して取り組んでいるPB商品拡販や経費コントロールの徹底、適正売価や販促施策見直しなどの各種施策が両グループで奏功

都市部や繁華街等の人流拡大、夏の猛暑により医薬品や化粧品、PB商品が好調に推移し9.2%増収

・KPI(業務のパフォーマンスのこと)管理の徹底、適切な経費コントロール、統合シナジーの発現等により、営業利益は32.6%増益

マツモトキヨシグループとココカラファイングループの経営統合によるシナジーが順調に進捗し、利益率は、両グループで大幅に改善

通期業績見通し

2024年3月期の通期業績は、売上高は増収、利益はすべての利益水準で約20%増益となり、売上高・利益ともに過去最高を更新する見通しです。

<決算説明資料のポイント>

・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類感染症移行に伴う都市部や繁華街、商業施設内等の人流の拡大や夏の猛暑により、医薬品及び化粧品、新発売やリニューアルしたPB(プライベートブランド)商品の売上高が好調に推移。コロナ禍の中でも免税対応店舗数を戦略的に拡大したことで、売上高および利益に寄与。重要業績評価指標(KPI)管理による収益改善などが奏功したことで、2023 年5月 12 日公表の業績予想を上回る結果となった。

・第2四半期連結累計期間の連結業績を反映し、売上高及び利益の増加が見込まれることも鑑みて、2024 年3月期通期連結業績予想を、2023年5月 12 日公表の予想から上方修正した。

株価指標(12/29現在)

株価は2023年9月30日を基準日に1株→3株に株式分割されたため、一単元が25万円程度となっています。好業績であるにもかかわらず、年初来安値からは約3%上昇年初来高値からは9低下と株価はあまり評価されていないようです。

PERは20倍、PBRは2倍を超えており割高感があります。

ROEは市場平均並みですが、ROAは高く、収益性はまずまずな水準です。

配当利回りは1.36%と低めです。

株主還元

過去10年間の配当金の推移です。株式分割前で作成しています。

2018年3月期、2019年3月期に連続で減配しており、その後は累進配当になっています。

今期(2024年3月期)は期初90円の予想でしたが、通期業績の上方修正に伴い101円に増配されました。

還元方針は「経営基盤の強化と収益力・成長力の向上に努め、安定配当を継続することを重視しつつ、毎期の利益成長に応じた利益配分を行う方針」としています。

12月15日には「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を公表しており、そのなかでは、今後3か年の利益の40%を成長投資、25%を内部留保などの財務基盤強化、35%を株主還元に充てるとしています。35%の株主還元には配当、自社株買い、株主優待が含まれています。

上記方針に基づき、今期の中間配当が50円、期末配当が17円(株式分割前 51円)で株式分割前で年間101円の予想になっています。配当性向は28.3%です。

また、自社株買いも都度少額(2月と8月にいずれも発行済株式総数に対して1%未満)ですが行っており、株主還元に積極的です。

株主優待

権利日は3月末日と9月末日の年2回あり、保有株式数に応じて、マツモトキヨシやココカラファインなどで使用できる自社グループ商品券がいただけます。

まとめ

事業環境は好調であり、通期業績は上方修正されました。また、今期はインフルエンザが流行しているようなので医薬品の売り上げに寄与し、さらなる上方修正の可能性もあるかもしれません。

ただし、薬価が改訂され低下してしまったため利益率は今よりも悪化する可能性があり、その点は注意が必要かもしれません。

業績好調であるにもかかわらず、薬価低下による来期以降の利益率の下押し材料により株価は評価されていない可能性があります。

それでも、配当金や自社株買い、株主優待などの株主還元には積極的であるため、今後も持ち続けたい銘柄の一つです。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました