ニップン（2001）中間決算解説上方修正と増配まだ高進捗

2023年11月7日に発表されたニップン（2001）の中間決算について、決算内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元、株主優待について解説していきます。

基本情報
中間決算
通期業績見通し
株価指標（12/22現在）
株主還元
株主優待
まとめ

基本情報

ニップンは、製粉老舗で国内2位の会社です。業務用主体だが冷凍食品・健康食品・加工食品など家庭用も強化しています。バイオ事業など多角化推進しておりアジアにも展開しています。

中間決算

中間決算では、売上高は2桁の増収、利益も前年同期比で1.6～1.7倍の増益となり、売上高・営業利益は過去最高を更新しました。営業利益率は前年同期3.7％→5.6％に大幅改善しました。

2四半期累計では、売上高・利益ともに2桁の増益となり、利益は前年同期比1.7～1.9倍に増益しました。進捗率は62.7％です。

＜決算説明資料のポイント＞

・売上高は、個人消費及びインバウンド消費の回復等による需要の増加に加えて、原材料及び各種コストの上昇を受け、各事業において販売価格を改定したことにより増収

・利益面では、原材料及び各種コストの上昇や拡売のための戦略コストの増加があったものの、ワンプレート類を中心とする冷凍食品類の販売数量伸長、中食事業の堅調な推移等により増益

・業務用冷凍食品市場は、コロナ禍により一時的に落ち込んだが徐々に回復傾向。一方、家庭用冷凍食品市場は、コロナ禍以降市場が拡大したが、現在はやや落ち着きつつある

・当社冷凍食品事業においては、業務用・家庭用ともに市場を超える伸長率を維持しており、特に家庭用では消費者のライフスタイルにあわせて拡大しているセット物市場において、プレート品の「よくばりプレート」シリーズを中心にシェアを伸ばしている

通期業績見通し

2024年3月期の通期業績は、売上高は増収、利益は前期比で1.4倍に増益となり、売上高・利益ともに過去最高を更新する見通しです。

＜決算説明資料のポイント＞

・売上高は、各セグメントとも出荷増に加え、原材料価格、エネルギー価格等の上昇分を売値へ転嫁することによって、2022年度比＋9.4％、344億円の増収を予想

・営業利益は、エネルギー価格や物流費の上昇に加えてシステム投資や労務費、食品セグメントにおける広告・販促費等諸費用の増加が見込まれるものの、拡売及びさらなる生産性の改善を進めることによって、2022年度比+42.4％、52億円の増益を予想

株価指標（12/22現在）

株価は通期業績の上方修正と増配に伴い年初来安値から約40％値上がりしました。それでも一単元が20万円前半であり、PERは12倍、PBRは1倍以下となっており割安感があります。

ROE・ROA・営業利益率は市場平均と比較し低めですが今期は改善すると思われます。

配当利回りは増配後で2.50％とまずまずです。

株主還元

過去10年間の配当金の推移です。

直近10年は累進配当であり、2019年3月期から今期で6期連続増配の予定になっています。

還元方針は「業体質の強化および今後の事業展開、経営環境を考慮し、内部留保に意を用いることを基本としている。株主への利益還元も安定的かつ継続的な配当の維持する。資産売却等による特殊・特別な損益を除外した連結配当性向30％以上を目標」としています。

上記方針に基づき、今期（2024年3月期）の中間配当が28円、期末配当が28円で年間56円の予想になっています。配当性向は30.1％です。

株主優待

保有株式数と継続保有期間に応じてパスタ等の自社商品詰合わせがいただけます。自社商品は5単元（500株）以上の株主からとなるため、現在の株価から考えると投資資金は100万円を超えてしまいます。

ただし、3月末・9月末には上記に加え、株主優待サービスが受けられます。

1単元（100株）保有していると「株式会社ジュンコ・フローラ・スクール　小麦粘土でつくる『パンの花』１日体験レッスン＆プレコース（初心者向け短期講座）の無料受講及び入会時の入会金無料ご優待」がいただけます。

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