セブン&アイHD(3382)新たに株主還元を発表し株価上昇

決算解説

2023年11月30日に発表された、セブン&アイ・ホールディングス(3382)の自社株買い・株式分割について、直近決算や通期業績見通し、株価指標、株主還元もあわせて解説していきます。

基本情報

セブン&アイ・ホールディングスは、総合小売業で国内首位の流通グループであり、日米コンビニ(セブンイレブン)を核に総合スーパーや外食、現行などを展開している会社です。

セグメント別営業収益:海外コンビニ(約73%)、スーパー(約13%)、国内コンビニ(約8%)、金融(約2%)

セグメント別営業利益:海外コンビニ(約50%)、国内コンビニ(約41%)、金融(約7%)、スーパー(約2%)

中間決算

中間決算では、売上高は減収、営業利益・経常利益は2桁の増益で、経常利益に至っては四半期で過去最高を更新しました。最終利益・修正1株利益は約40%の減益になりましたが、営業利益率は前年同期4.1
→5.5%に改善しました。

2四半期累計でも、売上高は減収、営業利益・経常利益は増益、最終利益・修正1株利益は約40%の減益になり、進捗率は46.3%と前年と同水準です。

<決算説明資料のポイント>

・2023年度上期の営業利益、経常利益は過去最高益を達成

・そごう・西武株式の譲渡を完了、戦略的取り組みは着実に進捗

・国内コンビニエンスストア事業では、各地でのイベント等の再開による人流回復や好天に恵まれたことに加え、地域やメニュー等のテーマを設定し様々な商品を取り揃えるフェアの積極展開やアプリを活用した販促等の各種施策が奏功したこと等により、既存店売上は前年を上回った

・海外コンビニエンスストア事業では、商品売上が伸長したものの、ガソリンの価格下落と販売量の減少

・2025年度までに日本及び北米を除く地域で5万店の店舗網の確立、2030年度までに日本・北米を含めた全世界で30の国と地域での店舗出店を目指す方針の下、既存展開国と新規展開国の両輪で成長戦略を推し進めていく。新規展開国については、2023年1月にイスラエル、9月にはラオスに出店し、これにより世界におけるセブン-イレブンの展開エリアは20の国と地域になった。

・金融事業では、株式会社セブン銀行における当第2四半期末時点の国内ATM設置台数は27,071台(前連結会計年度末差182台増)となった。人流回復に伴う預貯金金融機関の取引件数の回復資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引の増加に加え、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高原状態を維持したこと等により、1日1台当たりのATM平均利用件数は104.6件(前年同期差4.9件増)となり、当第2四半期連結累計期間のATM総利用件数は前年を上回った。

通期業績見通し

2024年2月期の通期業績は、売上高は減収、営業利益・経常利益は増益ですが、最終利益・修正1株利益は2桁減益の予想です。

<決算説明資料のポイント>

・第2四半期連結累計期間において、人流回復や資金需要の回復により、当社単体におけるATM受入手数料が当初予想に比べ大きく増加した。こうした業績動向を踏まえ、通期の個別業績予想について上方修正した

株価指標(12/4現在)

株価は1単元50万円以上と値がさ感がありましたが、2024年2月末日を基準日に1株→3株に株式分割されるため、1単元が20万円以下で投資ができるようになりました。

PERは割高水準であり、ROE・ROA・営業利益率ともに市場平均よりも低めですが、今期は業績が好調に推移しているため、収益性は改善傾向といえます。

配当利回りは2%弱と低めです。

株主還元

過去10年間の配当金の推移です。

配当金は減配なく累進配当になっています。

コロナショックの影響で2021年2月期は業績が落ち込みましたが、それでも赤字にはならず、配当金を維持しました。また、その際の配当性向は50%程度であったため、非常に安定感と安心感があります。

還元方針は「1株当たりの配当金を安定的・継続的に向上させることを基軸とし、フリー・キャッシュフローの水準や株価等を勘案して、機動的な株主還元を検討していく。また、中期経営計画において 2023 年度から 2025 年度累計の総還元性向 50%以上を目指すことを掲げている」としています。

上記方針に基づき、2024年2月期の中間配当は56.5円、期末配当も56.5円の年間配当金113円になる予想です。(配当性向43%

また、自社株買いも発表されており、1,100億円を上限に、発行済株式総数に対して2.83%の自己株式を取得する予定です。

ポイント

海外コンビニエンスストア事業は不調のようですが、全体でみると営業利益・経常利益は過去最高を更新する見通しであり、業績は好調であると思います。

配当金は累進配当であり、自社株買いも行うなど、株主還元に積極的な優良銘柄です。

小売業としては首位級の会社なので、株式分割し投資しやすくなれば、ほしい方も多いのではないでしょうか。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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