キヤノン(7751)3Q決算解説 売上高見通し引き下げ

2023年10月26日、キヤノン(7751)が第3四半期決算を発表しました。

決算内容、通期業績見通し、株価指標、配当金の推移について解説していきます。

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基本情報

キヤノンは、OA機器総合メーカー。カメラ、事務機器で世界大手の会社です。一眼レフも高シェア。医療機器も展開しています。

主要指数採用:日経225、日経300、TOPIX、TOPIX100

第3四半期決算

第3四半期決算では、売上高・利益ともに増収増益。累計でも増収増益であり、経常利益・最終利益・修正一株利益は2桁増益となりました。進捗率は64.9%と昨年と同水準です。

決算説明資料では、市況悪化の影響を受け、プリンターをはじめとする需要軟化や競争激化が見られ計画には達しませんでしたが、ネットワークカメラやメディカル等の新規事業の成長と為替の追い風もあり、11四半期連続の増収を達成した。

営業利益は、プリンターやカメラで販売投資の増加や、センサー新工場稼働による償却費の増加がありましたが、コストダウンや円安の効果で増益となったとのことでした。

通期業績見通し

2023年12月期の通期業績は、売上高・利益ともに増収増益、利益は2桁増益の見通しです。

決算説明資料では、第4四半期の為替レートは、1ドル 145円、1ユーロ 155円と前回見通しからドル・ユーロ共に10円円安に見直した。

需要の軟化と、供給量が回復している状況のもとで一部の製品では価格競争が再開していることを反映し、年間の売上見通しを引き下げますが、インダストリアルやメディカル、オフィス複合機は、既に多くの受注を獲得しており、それらを確実に売上につなげていくとのことでした。

株価指標(10/26現在)

PERは12.3倍と割安。PBRは1倍を超えていますが、割高とはいえない水準です。

ROE・営業利益率はともに8%台とそこそこな水準。

海外売上高比率は約8割を占めており、昨今の円安による追い風も受けられます。

配当利回りは3.85%と高配当です。

配当金

過去10年間の配当金の推移です。

コロナショックのあった2020年は、前期比50%の大幅減配となっていますが、そこから今期まで4期連続増配の見通しです。

もともと配当金は実質累進配当となっていたため、株主還元には積極的であると思います。

ポイント

売上高・利益は昨年同期比で増収増益となりましたが、通期の売上高見通しを引き下げたことで、PTS(夜間取引)では、株価が約3%下落しています。

しかし、年間でみると増収増益の見通しは変わらず、株価は割安であるのに加え、配当利回りが約4%あるため、12月配当権利に向け、押し目買いのチャンスかもしれません。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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