キッコーマン(2801)中間決算解説 業績好調で株式分割も

決算解説

2023年11月2日に中間決算を発表したキッコーマン(2801)について、決算内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元、株主優待について解説していきます。

基本情報

キッコーマンは、しょうゆ最大手、シェア約3割で首位の会社です。北米が利益柱に成長しており、デルモンテ加工食品のアジア商標権を所有しています。

事業別売上比率:国内食料品(約24%)、海外食料品(約23%)、海外食料品卸売(約54%)

中間決算

中間決算では、売上高は増収、営業利益は前年同期比30%増、最終利益・修正1株利益は前年同期比60%増に大幅増益となり過去最高を更新。営業利益は前年同期比9.3%→12.2%と大幅に改善しました。

2四半期累計では、売上高・利益は増収増益となり、進捗率は55.2%と好調です。

<決算説明資料のポイント>

・国内では、しょうゆ、酒類で前年同期を上回り、食品、飲料が前年同期に及ばなかったが、食料品製造・販売事業全体で前年同期を上回った

・海外では、食料品製造・販売及び食料品卸売事業ともに、前年同期の売上を上回った

・国内の食料品製造・販売事業では各製品(しょうゆ、みりん等)の値上げにより売り上げが増加

通期業績見通し

2024年3月期の通期業績は、売上高・利益ともに増収増益で過去最高を更新する見通しです。

中間決算に伴い通期業績が上方修正されました。売上高は従来予想6,735億円→6,677億円。営業利益は535億円→614億円。最終利益は439億円→506億円にそれぞれ修正されました。

<決算説明資料のポイント>

・原材料等の影響を見直したこと、上期の為替が141.31円/USDとなり、下期の為替の前提を130円/USDから145円/USD(年間 142.66円/USD)に変更したことによる為替換算影響、当社の特定子会社であるKI NutriCare, Inc.を解散及び清算する影響等により前回発表予想から修正

※特定子会社であるKI NutriCare, Inc.が保有する、Country Life, LLC(米国、栄養補助食品、健康食品、パーソナルケア商品の製造・販売を行っている会社)の出資持分の全部を、米国投資ファンド運営の事業体へ譲渡することを決定しました

株価指標(11/22現在)

株価は1単元が90万円台と非常に値がさ感がありますが、2024年4月1日を基準日に1株→5株に株式分割することになり、4月以降は1単元が20万円以下となるため手が出しやすくなります。

PER・PBRは割高ですが、ROE・営業利益率は比較的高く、効率的に高い収益をあげており、稼ぐ力が高い企業といえます。

自己資本比率は70%台と非常に健全。配当利回りは1%と低めです。

株主還元

過去10年間の配当金の推移です。

10年以上連続増配であり、直近3年は大幅に増加しています。

還元方針は「従来、連結配当性向は30%以上を目標としておりましたが、株主還元を充実させる観点か
ら、2024年3月期より35%目標に変更」としています。

今期は、配当金に加え、100億円を上限に、発行済株式総数に対して1.04%の自社株買いを行うと発表しています。

2024年3月期の中間配当は34円(前期実績30円)、期末配当は59円(前期実績48円)で年間93円になる予定です。

株主優待

保有株式数、保有期間に応じてしょうゆやお酒等の自社グループ商品がいただけます。

2024年3月末を基準日に1株→5株に株式分割されますが、11/22現在では基準となる保有株式数に変更はありません。

しかし、株式分割についての公表資料には、今回の株式分割に伴う新株主優待制度は、2025年3月31日時点の株主名簿に記録される株主様に対して贈呈するものから適用とし、内容は検討中と記されていました。

そのため、2024年3月末には株式分割前の100株(約90万円)が必要であり、分割後は保有株式数が変更される可能性もあるため、今後の発表に注意が必要です。

ポイント

時価総額が2兆円に近い大型株であるにも関わらず、利益は2桁成長しており、かなり収益性・成長性の高い銘柄です。

配当利回りは1%と低めですが、配当金は増配を続けているため、それ以上に株価が上昇していることになります。そのため、中長期で高い利回りを享受できるうえ、キャピタルゲインも狙える銘柄であると思います。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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