イオン(8267)3Q決算解説 売上・利益過去最高 上方修正

株主優待

2024年1月12日に発表されたイオン(8267)の第3四半期決算について、決算内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元、株主優待について解説していきます。

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基本情報

イオンは、総合小売大手の会社で、国内流通は首位。総合スーパー中心ですが、傘下に不動産や金融事業も展開しています。

<セグメント別売上高>総合スーパー:35.9%、スーパーマーケット:28.9%、ヘルス&ウェルネス:12.6%、その他:28.4%

総合スーパー事業、スーパーマーケット事業が主力になっています。

第3四半期決算

第3四半期では、売上高は増収、営業利益・経常利益は大幅増益となり、純利益・EPSは赤字が縮小しました。営業利益率は前年同期0.8%→1.1%に改善しています。

3四半期累計では、売上高・利益ともに増収増益、純利益・EPSは黒字転換しています。進捗率は57.9%と前年同期比より好調に推移しています。

<決算説明資料のポイント>

・総合スーパー事業では、衣料・食品・H&BCの荒利率向上やDX推進等による業務効率化で、営業利益率が改善。イオン九州は統合シナジーを発揮し、営業収益、各段階利益ともに過去最高を更新

・スーパーマーケット事業では、DXによる店舗オペレーションの効率化と水光熱費の削減で大幅な増益。トップバリュの価格優位性を活かした集客が奏功する「まいばすけっと」がけん引。「いなげや」を連結子会社化し首都圏のドミナントが強化

・ヘルス&ウェルネス事業では、検査キットなどコロナ関連需要の反動減の影響あり。販売管理費の増加は想定内にコントロールも、営業総利益が想定に届かず

・国際事業では、景気悪化で需要低迷がするマレーシア、ベトナムでは必需品の価格訴求で客数回復の兆しがあり、中国では地域差はあるもののゼロコロナ政策の解除により衣料品や食品の売上回復で増益

通期業績見通し

2024年2月期の通期業績は、売上高・利益ともに増収増益で、売上高・営業利益・経常利益は過去最高を更新する見通しです。

<決算説明資料のポイント>

・これまで進めてきた様々な構造改革や、コスト管理の徹底が功を奏し、小売事業を中心に収益性が大幅に改善。その結果、第3四半期連結累計期間の営業収益、営業利益、経常利益が過去最高を更新し、当期純利益は当初想定を大幅に上回った

・売上高が9兆4,000億円→9兆5,000億円(+4.2%)、営業利益が2,200億円→2,400億円(+9.1%)、経常利益が2,100億円→2,300億円(+9.5%)、純利益が250億円→330億円(+32.0%)にそれぞれを上方修正

株価指標(1/15現在)

株価は一単元が30万円程度であり、PERは87.4倍、PBRは2.77倍と非常に割高感があります。

ROE・ROA・営業利益率は市場平均と比較し低く、収益性は低めになっています。

配当利回りは株価上昇に伴い1.07%と低いです。

前期(2023年2月期)の海外売上高比率は8%台と低めですが、現在では30%近くまで上昇しているようです。

株主還元

過去10年間の配当金の推移です。

累進配当となっており、配当金は10年間で約1.38倍に増加しています。

還元方針は「前年以上を維持しつつ、連結配当性向30%を目標として定め、さらなる利益成長ならびに株主還元に努めていく」としています。

上記方針に基づき、今期(2024年2月期)の中間配当が18円、期末配当が18円で年間36円の予想になっています。配当性向は67.3%です。

株主優待

イオンで利用できる株主優待カード「イオンオーナーズカード」がいただけます。期間中の買い物合計金額からキャッシュバックが受けられるカードで、保有株式数に応じてキャッシュバックの返金率が変わります。一単元(100株)では3%です。

イオングループのドラッグストアであるウェルシアなどでは利用できないため注意が必要です。

買い物以外では、対象の店舗では割引が受けられ、例えば映画館では優待料金で映画が観られたり、レストランでは10%割引されたりします。

また、キャッシュバックは対象店舗で現金にて受け取る必要がありましたが、オーナーズカードを専用アプリ「i AEON」に登録すると、来店する必要がなく、現金をWAON POINTで受け取ることができるようです。

スーパーはイオンを利用される方や、イオンモールで映画やご飯を楽しむ方には非常にお得な優待になっています。

まとめ

総合スーパー事業を始め、スーパーだけでなくヘルスケアや金融サービス、海外事業など、すべてのセグメントで増収増益となっており、期初から売上高・営業利益・経常利益は過去最高を更新する見通しでしたが、今回はさらにすべて上方修正されました。

事業はかなり好調ですが、株価指標的には割高感があり、株価上昇により配当利回りは低めです。株主優待はイオン系の店舗をよく利用される方には非常にお得であるため、株価の値上がり益と株主優待を狙う方にはおすすめの銘柄です。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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