あらた(2733)中間決算解説 業績上方修正で還元強化

決算解説

2023年11月7日に中間決算を発表したあらた(2733)について、決算内容、通期業績見通し、株価指標、株主還元、株主優待について解説していきます。

基本情報

あらたは、日用品卸最大手の会社です。地方卸3社が合併してできた会社で全国に展開しています。PB品開発も行っています。

中間決算

中間決算では、売上高は増収、利益は2桁の増益となり、売上高は過去最高を更新しました。

2四半期累計では、売上高は増収、利益は前年同期比20%の増益となり、進捗率は53.7%となりました。

<決算説明資料のポイント>

売上高は過去最高を更新しており、環境変化が激しい状況においても、着実に売上規模の拡大を続けている

・大容量品や高付加価値商品の戦略的な拡大による売上増に加え、原材料費高騰に伴う値上げ等も相まって、商品単価が向上したことが主な要因

・専売・優先流通品の売上拡大や、中計の重要施策として継続してきた化粧品を中心とするヘルス&ビューティーやペットカテゴリーの奏功も、売上拡大に貢献している

・新型コロナ 5 類移行に伴い、人流増加や外出機会の増加による需要変化への対応から、化粧品等の売上増が発生

・全カテゴリーで前期を上回る結果となりました。その中でも強化してきたヘルス&ビューティー(売上構成比率:約30%)およびペットカテゴリーについては、大きく伸長を続けている

・業態別売上高前年比較では、ドラッグストアが 108.2%と大きく伸びており、売上構成比率も 52.5%と拡大を続けている

通期業績見通し

2024年3月期の通期業績は、売上高は増収、利益は前期比で2桁の増益となり、売上高・すべての利益で過去最高を更新する見通しです。

<決算説明資料のポイント>

・第2四半期連結累計期間において売上高・経常益等は前年同期比で過去最高となり、前回予想を上回る進捗となっていることから、通期業績予想を上方修正した

株価指標(11/22現在)

株価は1単元60万円台と値がさ感がありますが、12月31日を基準日に1株→2株に株式分割される予定となっており、株式分割後は1単元30万円と手が出しやすくなります。

PER・PBRは割安水準であり、自己資本比率は35%程度とまずまず健全です。

通期業績の上方修正に伴い配当金も増額修正されましたが、株価の上昇により配当利回りは3%を下回っています。

株主還元

過去10年間の配当金の推移です。

今期は9期連続増配の予定となっています。

還元方針は「安定配当を考慮しながら配当性向を意識した配当方針とし、連結配当性向30%を目標として段階的に向上させていく」としています。

決算説明資料では「2023 年 9 月末時点における当社の PBR は、0.91 倍となっており、PBR1 倍超の実現には、時価総額向上を目指した将来性のある成長性戦略と、実績の実現に加え、資本構成の最適化、流動性向上を目指した株式株主施策が必要となる。そこで、株式株主施策として、自己株式取得と株式分割、業績予想修正に伴う増配の実施を決定した。」と記載されていました。

上記により、今期は、通期業績の上方修正に伴い、中間配当は83円、期末配当は102円(株式分割後51円)となり、期末配当については株式分割前から19円増額修正されました。

自己株式取得については、30億円を上限に、発行済株式総数に対して3.4%の自己株式を取得するとしています。

株主優待

1単元保有していると年2回1,000円相当のクオカードがいただけます。

また、株式分割に伴う株主優待制度の基準については変更せず、分割後も1単元以上保有の株主に対して1,000円相当のクオカードを年2回贈呈するとしていますので、実質的な制度拡充となりました。

ポイント

業績好調でありながら、株主還元にも積極的な優良企業です。

現在PBRは1倍を超えてしまいましたが、これを維持するため、株主還元の手を緩めることはないかと思います。

配当金は9期連続増配でありますが、配当性向は30%と、まだまだ余力を残しているため、今後の株主還元にも期待が持てます。

以上です!投資の参考になればうれしいです!

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